東工大数学専攻院試 午前 第1問 解答

解答

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発想とポイント

ベキ零行列の定義と必要十分条件とその証明が頭に入っているかが重要。

定義A \in M(n,\mathbb{C})がベキ零行列であるとは、ある1以上の整数mが存在してA^m=0のときにいう。
命題A \in M(n,\mathbb{C})について、次が同値である。
(1)A がベキ零行列である。
(2)A 固有値0のみである。
(3)A の固有多項式x^nである。
(4)A^n = 0である。

京大数理解析系令和2年度基礎科目第3問

解答

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発想とポイント

存在問題だから、自分でV_0,V_1を構成する必要がある。とりあえず使える道具は問題文より、f(\text{Im}g)=Wで、f全射であることがわかる。
線形代数において、全射の代表的な性質に次がある。

定理V,W線形空間, f:V \rightarrow W全射線形写像とする. Vの部分空間V'について, 次が同値である.
(1) V=V' \oplus \text{ker}fである.
(2) f|_{V'}:V' \rightarrow Wは同型である.
なんか直和でてくるし使えそうだし、\text{ker}も条件(ii)と相性良さげ。
ということで、V_0=\text{ker}fとおくと、(ii)を満たすことが簡単にわかる。
更に、 V = V' \oplus \text{ker}fと直和分解すると、上の定理から、 f|_{V'}:V' \rightarrow Wは同型である。
ところで、f(\text{Im}g)=Wだったので、V'=\text{Im}gと予想でき、これが(iii)を満たすことが簡単にわかる。
ということで、最初からV_0=\text{ker}f, V_1=\text{Im}gとおき、(i),(ii),(iii)を満たすことを示せば、上の解答となる。
ちなみに、上の定理は
線形代数の世界―抽象数学の入り口 (大学数学の入門) | 斎藤 毅 |本 | 通販 | Amazon
にでてくる。

平成29年度東工大大学院試験問題  基礎 第2問

解答

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発想とポイント

\text{rank}A = \text{dimIm}Aより、\text{Im}Aを調べる。
\text{Im}Aの基本的な性質として、 \dots \subseteq \text{Im}A^2 \subseteq \text{Im}A \subseteq \mathbb{C}^nがある。
この次元の列は下に有界な広義単調減少列だから、必ず等しい部分があり、それ以降は常に等しくなる。(上に証明の*の部分)
後はその等しい部分がn+1~1の間に起こることを示せば良い。

一般固有空間(広義固有空間) 性質

記号1

 A \in M_n(\mathbb{C}), \alpha \in \mathbb{C}について,
\begin{align}
V(\alpha) &:= \{x \in \mathbb{C}^n|A-\alpha E_n=0\} \\
W(\alpha) &:= \{x \in \mathbb{C}^n|^\exists k \geq 1 \quad \text{s.t.} \quad (A-\alpha E_n)^k=0\}
\end{align}とおく.

命題2

(1)  V(\alpha) \subset W(\alpha)である.
(2)   W(\alpha)\mathbb{C}^nの部分空間である.
(3)  W(\alpha) \neq \{0\} \Leftrightarrow V(\alpha) \neq \{0\} \Leftrightarrow \alpha はAの固有値.

定義3

 \alphaA固有値のとき,   W(\alpha) \alphaに属するAの一般固有空間(広義固有空間)という.

命題4

一般固有空間   W(\alpha)A不変である.